SUZAKUについて
SUZAKUとは
SUZAKUは、小型で汎用的な組込みボートコンピュータのシリーズです。組込みボートとしてターゲットシステムに容易に統合できるようにデザインされています。また、SUZAKUボード単体でも、独立した一つのシステムとして動作するのに十分な機能を持っています。 SUZAKUの特長として
があげられます。 FPGAがハードウェアの開発に高い柔軟性・拡張性をもたらし、OSにLinuxを採用することでオープンソースソフトウェアをはじめとする豊富なソフトウェア資産が利用でき、安定性と開発効率の向上をもたらします。これにより、短納期で低コストな組み込みシステムの開発を実現します。 |
FPGA
SUZAKUシリーズでは、FPGAのタイプによりSUZAKU-VとSUZAKU-Sという2種類のタイプを提供しています。
- SUZAKU-V : Virtex-4FX / Virtex-II Proを搭載し、ハードコアプロセッサPowerPCを採用した高性能なハイエンドタイプ
- SUZAKU-S : Spartan-3E / Spartan-3を搭載し、ソフトプロセッサMicroBlazeを採用した低価格なスタンダードタイプ
FPGAは、SUZAKUシリーズの最大の特長です。FPGAを用いることで、いままで固定ハードウェアで開発してきた作業の大半をソフトウェアのように行なうことができます。
さらに、最新の製造プロセスを用いたFPGAでは大規模化や低価格化が進み、量産の組み込み機器として価格や機能面でも十分な競争力を持っています。また、機能が固定のこれまでのCPUボードと違い、たとえ同じハードウェアを使っていたとしても、独自の付加価値を付け加えることが可能です。
Linux
SUZAKUシリーズでは、基本ソフトウェア環境としてLinuxをサポートしています。Linuxをサポートする理由としては、
- 複雑化する組み込み機器の制御に、Linuxの豊富な機能を使いたい
- ネットワークサーバとして培われたLinuxのネットワーク機能を組み込み分野でも活用したい
- 組み込みという比較的敷居が高いと思われている分野でも、多くのプログラマーが慣れ親しんでいる環境を提供し、敷居を下げたい
- ユーザと一緒にオープンな開発をしたい
などが挙げられます。
SUZAKU製品情報へSUZAKUの用途
SUZAKUの適応能力はこれまでのCPUボードをはるかに凌ぎます。FPGAという柔軟なハードウェアをベースに、ネットワークインターフェースを標準搭載しています。さらに、シリーズの中には小型ながら高性能なプロセッサを持ったものもあり、限りない可能性を秘めている次世代組み込みボードと呼べるのではないでしょうか。
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SUZAKUの開発と流れ
SUZAKUの開発にはFPGA開発と組み込みLinuxの開発があります。基本的な流れは以下のようになります。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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FPGA開発
SUZAKUではXilinxのFPGAを採用しているので、XilinxのISEやEDKといったツールを使用してFPGA開発をします。ISEはFPGAに必要な論理合成、配置配線、bitファイル等の書き込みツールなど、トータルな開発環境を提供するツールです。EDKはプロセッサや周辺ペリフェラルのソースコードやライブラリが登録されていて、それらをGUI環境下で構築、設定できるツールです。また、EDKにはソフトウェアのコンパイラやライブラリも登録されていて、C言語による開発を行うことも出来ます。
ISE/EDKでFPGAへ書き込むコンフィギュレーションファイルを生成し、JTAG経由でSUZAKUへ書き込み、SUZAKUのハードウェアをカスタマイズすることが出来ます。
組み込みLinux開発
SUZAKUでは、基本ソフトウェア環境としてLinuxを採用しているので、多くのソフトウェア開発を作業用PC上で行なうことができます。もちろんデバイスに依存する部分などは直接SUZAKU上でテストしなければなりませんが、経験上そのような個所は全体の開発中わずかな比率でしかありません。このため開発時間は短縮され、開発効率が良くなります。
SUZAKU上で開発したプログラムのテストを行なう場合、一般的にクロス開発と呼ばれている手法を使います。開発をしている作業用PC上にSUZAKU用の開発環境を構築し、SUZAKU用にプログラムをコンパイルします。できあがったバイナリはシリアルケーブルはもちろんのこと、ネットワーク経由でも転送できますので短時間でシステム全体のソフトウェアを転送することができます。